クランベ(浜菜)






    プロフィール

  アブラナ科クランベ属の多年草で、学名は Crambe maritima。
  ヨーロッパが原産ですが、不連続な2つの沿岸地域に限定されます。ウクライナからルーマニア、ブルガリア、トルコの黒海沿岸と、フランス北部とイギリス諸島からバルト海沿岸までの地域です。耐塩性があり、海岸の砂地や岩礫地に生え、高さは75センチほどになります。葉はケールの変種でなめらかなコラードに似ていて、大きくて青緑色、大きく分裂して縁は波打ちます。春にはたくさんの白花を咲かせます。和名では「はまな(浜菜)」と呼ばれます。
  系統・品種と用途

  この植物はキャベツと近縁で、18世紀の初頭、イギリスで初めて野菜として栽培されました。いまでもイギリスでは多くの農家によって商業的に栽培されています。わが国へは明治時代のはじめに渡来しましたが、今でもほとんど栽培されていません。また品種の分化は見当たりません。
  ふつうは春に種子をまくか、株分けで殖やして、土寄せするか暗所で栽培し、多肉質の葉柄を軟白して、これを食用とします。または春先にでた若芽を利用します。レシピとしては、茹でたりバターで炒めて供されることが多いです。
  栽培のポイント

  「クランベ」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。ここでは苗を購入したケースを解説しています。

気候区分

作業

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12

温暖地

植えつけ

収穫
 (翌年以降)

気候区分

うえどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 04/上〜05/中   05/上〜05/下  
寒冷地 03/下〜05/上   04/下〜05/中  
温暖地 03/中〜04/下   04/中〜05/上  
暖 地 03/上〜04/中   04/上〜04/下  

ご注意

  発芽温度は10〜25℃、生育温度は5〜30℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

15-20

生育適温

10-24

栽培のポイント

  冷涼な気候を好みますが、栽培可能の温度範囲も5〜30℃と広いため、各地で栽培できます。

 

pH

6.07.08.0

土壌酸度

6.0-8.0

栽培のポイント

  中性に近い土壌を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


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作付け間隔

1-(2)


栽培のポイント

  根こぶ病などの連作障害が起こりますので、いちど栽培したところでは、少なくとも1年は栽培しないようにしてください。
  栽培のステップ

  「クランベ」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

畑の準備

(1) 酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに、1平方メートルあたり100gの苦土石灰を施し、よく耕します。




(2) 畝の全面に、1平方メートルあたり2kgの完熟堆肥と120gほどの有機配合肥料を施し、よく耕します。幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

植えつけ

(1) 本葉が5〜6枚くらいに育った苗を、株間45〜60センチくらいに植えつけます。根鉢は崩さないようにしてください。




(2) 植えつけの後にたっぷりと水を与えます。

(3) 大型の野菜なので、地植えがふつうですが、深型のプランターやコンテナなどでも栽培できます。

追肥・管理

(1) 本葉が10枚くらいになったら、必要に応じて、畝の両側に有機配合肥料を施して土寄せします。






(2) 肥え切れさせないように、生育をみながら追肥を施します。

(3) 害虫を避けるために、べた掛け資材で被ったり、病害虫の早期発見、早期防除に心がけてください。

越冬

(1) 冬になると葉が枯れてきます。耐寒性は強いですが、枯れ葉を切り取ったあと、完熟堆肥などを被せて、冬越しさせます。

収穫

(1) 早春になると、越冬した根から芽がでてきます。このとき株元から離れた場所に、有機配合肥料を追肥として与えます。
















(2) 花茎が伸びてきたら、15〜20センチに切り取って収穫します。

繁殖

(1) 多年草なので、数年はそのまま栽培できます。ただ、地上部が枯れてしまったときは、残った根茎で殖やすことができます。






(2) 寿命が尽きかけている株は、掘り起こすことが出来るので、その側根を10〜15センチに切って挿し穂とします。

(3) ある程度の大きさに苗が成長したら、別の場所に植え替えます。
  おもな病害虫

  「クランベ」には害虫がつきやすいので注意が必要です。また、連作すると根こぶ病や萎黄病などが発生します。アブラムシ類やシンクイムシ類、アオムシ、コナガなどの害虫、べと病や灰色かび病などの病気が発生します。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん