やなぎたで(柳蓼)





    プロフィール

  タデ科イヌタデ属の一年草で、学名は Persicaria hydropiper(syn. Polygonum hydropiper)。

  わが国の各地をはじめ、北半球に広く分布しています。水辺の湿地などに生え、高さは30〜80センチになります。葉は披針形から長卵形で互生します。7月から10月ごろ、茎頂や葉腋から花序をだし、淡紅色を帯びた白色の花を咲かせます。「ぼんとくたで」に似ていますが、葉の表面に黒斑がありません。葉には辛味があり、若芽は刺身のつまやタデ酢などに利用されます。
  系統・品種と用途

  「やなぎたで」は、平安時代から香辛料として利用されていました。そのため栽培品種も多くあります。種子を発芽させたばかりの小葉は「芽たで」と呼ばれ、刺身のつまに使われます。赤色の「紅たで」と緑色の「青たで」があります。また葉をすり下ろして酢に混ぜると「たで酢」になり、アユの塩焼きや臭みのある魚料理にも利用されます。
  栽培のポイント

  「やなぎたで」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。なお作型は、品種によって異なる場合がありますので、タネ袋に記載されている内容をよく確認してください。

気候区分

作業

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

温暖地

種まき

植えつけ

収穫


気候区分

まきどき (春|秋)

収穫時期 (春|秋)
寒 地 03/下〜04/下   06/上〜10/上  
寒冷地 03/中〜04/中   05/下〜09/下  
温暖地 03/上〜04/上   05/中〜09/中  
暖 地 02/下〜03/下   05/上〜09/上  

ご注意

  発芽温度は10〜30℃、生育温度は5〜35℃なので、これを外れるときは、加温または遮熱をしてください。

 


152025

発芽適温

18-25

生育適温

10-30

栽培のポイント

  日当たりが良く、湿気の多い場所を好みます。水やりを欠かさず、乾燥させないように育てるのがコツです。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

2-(3)


栽培のポイント

  長期間同じ場所で栽培すると障害がでてきます。できるだけ連作を避けることが賢明です。
  栽培のステップ

  「やなぎたで」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、小さなホームガーデンを想定した一般的な方法を説明しています。

 

ステップ

内容

種まき・育苗

(1) 連結ポットや3号ポットにタネを5〜6粒、間隔をあけてまきます。覆土は薄く、5ミリ程度にします。乾燥しないよう水やりをしてください。
※採種した種子は、2〜3か月は休眠に入っています。また、寒さに当てた方が発芽が良くなるようですので、寒い時期にタネをまき、乾かさないように気をつけて、春に発芽させるのがいいのかもしれません。














(2) 本葉が2〜3枚のころまでに、間引いて1〜2本立てにします。

(3) 連結ポットにまいたときは、本葉が4〜5枚のころにポットあげします。

(4) 本葉が10枚のころまで育苗します。

畑の準備

(1) 強い酸性土壌に弱いので、植えつけの2週間くらい前までに1平方メートルあたり苦土石灰100gを施し、よく耕します。




(2) 畝の全体に、元肥として1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥と100gの有機配合肥料を入れてよく耕します。そのあと幅90センチ、高さ10センチほどの畝を立てます。

(3) 鉢植えやプランターなどの用土は、赤玉土小粒6と腐葉土4を混ぜ合わせたものに、有機配合肥料を加えます。

植えつけ

(1) 本葉が10枚くらいに育ったころに植えつけます。




(2) 畝に、条間45センチ、株間30センチの間隔で植え穴を掘り、根を傷めないように注意して植えつけます。
  8号鉢に1株、65センチのプランターには2〜3株ずつ植えることができます。

管理
追肥

(1) 日当たりが良く、湿気の多い場所を好みます。水やりを欠かさず、乾燥させないように育てます。






(2) 生育期には、月に1回くらいの割合で、液肥や有機配合肥料などを与えます。

収穫

(1) 草丈が25センチくらいになったころから収穫を始めます。伸びてきた枝や葉を適宜摘み取ります。




(2) 7月から10月ごろになると、花を咲かせます。

(3) また10月から11月になると、種子が熟します。花穂を軽くさわっただけで種子が落ちてきますので、早めに採種して、保管するようにしてください。
  おもな病害虫

  「やなぎたで」には、病気はほとんどありませんが、アブラムシやヨトウムシといった害虫の被害を受けやすい作物です。

  たで酢の作り方

  (1) 「やなぎたで」の葉を30枚ほど収穫して、すり鉢でよく摺ります。
  (2) ご飯粒を10粒ほど加え、ペースト状になるようにします。
  (3) 食酢を大さじ3〜5杯加え、よく混ぜると完成です。
  写真提供: 「ボタニックガーデン」  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん